約30年前にこの公園は造られました。
以後数度利用されただけで、長い間放置されていました。
大きな雑木が生い茂り、伸び放題の草とそれを覆い絡まったツタ。
誰も踏み入れることが出来ない状態でした。
この地で生まれ育ち、都会に出た私たちは
日曜日を利用してこの公園の整備に取り掛かりました。
雨が降ってずぶ濡れになろうとも、決めた日には必ずやりました。
地元に残り、故郷を守ってくれた幼馴染や
両親をいろいろ助けてくれたこの地区の人。
その人たちに私たちが出来る些細なことなのです。
雑草が生えてるし、泥にまみれたジャリがある。
岩山に囲まれ、木々が覆い、日の光りがほんのひと時照らす。
痺れるほど冷たい小川が流れ、木陰はひんやりと涼しい。
谷合の早い日没ののちに、ホタルが舞う。
草を刈って、小川の石に引っかかった小枝など拾った。
ただそれだけの場所。
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